Catdoll に Tami をオーダーしたときに、ある特別なカスタマイズを依頼していました。 これについてご説明いたします。オーダーした Tami には、標準的な「自立オプション」を指定しました。 これは、両足裏に足骨格に直結されているボルトの頭をそれぞれ3つ出すようにして、このボルトを接点にして床に立たせることにより自立しやすく安定させるというものです。 このボルトで体重を支えることにより、足裏に荷重がかかったときに TPE 素材の足が変形したりしないようになります。 このオプションを選択しない場合は、足の裏にはこのボルトの頭は露出せず、見た目がよくなります。その引き換えに自立が困難となります。 これは、TPE 素材が柔らかいため、ドールの自重を足の裏で支えることができなくなるからです。TPE 素材の足に直接的に荷重がかかると、変形したり破損させてしまうことになります。 立ち姿を楽しみたい方にははこのオプションは必須と言えます。
しかし、この足裏のボルトだけでは十分に安定して立たせることは難しいと思いました。履かせる靴や床の材質によっても安定性は変わってきそうですし、また、この3点支持式では片足立ちポーズなどは困難と言えます。
そこで、Project LEVEL-D さんのドールや XYcolo Doll さんのドールのように、背中に吊り下げ用金具を取り付けるボルト穴をつけていただくことにしました。 これが「 ある特別なカスタマイズ」です。 このボルト穴に M8 40mm のアイボルトをねじ込むと、背骨に溶接されたナットに接続されます。 このアイボルトに S 字フックを接続し丈夫な紐などで吊り下げると、両足と吊り下げボルトの3箇所で自重を支えることになり非常によく安定します。 【補足】おそらくこの吊り下げボルトだけでも自重を支える事はできると思いますが、メーカー標準の構造ではなく何の保証もありませんので、足裏にも必ずそれなりの荷重がかかるような使い方をしています。
吊り下げに使う紐には、セーリングに使うシート(セイルにテンションを掛けたり引っ張って動かしたりするナイロンロープの一種)の余りを使いました。 このシートは引っ張り強度が高く、金属チェーンよりも遥かに軽く柔らかく加工も楽でとても使いやすいです。 これの長さ違いを幾つか用意し使い分けしています。 末端は「もやい結び」を基本にした変形結び(「二重もやい結び」など)で処理して輪を作っています。この結び方は簡単に作れ、しかも硬く結ばれることはないので解くのも楽なので調整が楽です。 この「もやい結び」は特定の方向への引っ張りでは全く緩みませんので、重いものを吊り下げたり引っ張ったりするのには最適です。 ここでは必要に応じて末端を内向けに出したり外向きに出したりして、シートの端が邪魔にならないように処理しています。
この吊り下げ式にしたことで、Tami さんはご覧の通りのポーズで常時ヘッドをつけたまま保存することができています。
シートの長さを変えると(あるいは金属チェーンなどを使うと)このような状態で安定させることもできます。
とは言え、背中のボルトやその奥のナットが突然破損して転倒する可能性がないとは言えません。 メーカー標準の構造ではないですので、いつ何があってもおかしくはありません。 そこで、万が一ボルト周辺が破損してもドールが転倒して床へ直接打ち付けられてしまうような事がないように、ワンクッションを期待してセーフティロープを周囲に緩く張っています。
このセーフティロープは「コ」の字型にしていて、前面の一辺を簡単に外せるようにしています。
足元に敷く台の材料。 近所のホームセンターで適当に集めてきた木材です。
これを切って、適当に組み合わせて階段状のスロープを作りました。
これを足で踏むように設置します。
足首を直角に曲げたままにすると足首に皺ができてしまい、これが亀裂の原因になります。 この台はそれを予防するためのもので、このスロープの角度と履物のヒール部の高さで爪先が若干下に向くようにして、足首部分表面の素材の負担の軽減を狙っています。 もっと角度をつけると足が滑るので、この程度の角度としました。また、単純な三角形のスロープ形状も安定性に欠けるのでやめました。
ホームセンターには段差躓き防止用の三角形の柔らか素材でできたスペーサーも売っていましたが、柔らかい素材では安定性を欠くようなので(買って試してみたのですが)使っていません。
"Luminous" のメタルラック。 組み立てが簡単で強度は十分でお値段もお安く、サイズもいろいろ用意されていて便利です。 棚板の上の収納にはヘアケアセットや着せ替え時に使う小道具、他には Catdoll から送られてきた付属品など。
着せ替えや移動などでドールを抱きかかえている途中のような時でも、手を伸ばせばすぐに必要なものに手が届くように、古いハードディスクから取り出した強力な磁石をつけて、ヘッド吊り下げ用金具とかテンポラリとして使うヘッド台座をスタンバイ。
手元に2つある M16 アイボルトのうちの、ステンレス素材の方はこの磁石にはつきません。
同様に反対側にも同じネオジム磁石で、着せた洋服の丈などを調整する時に使うクリップをスタンバイ。
服を着せ替える時とかヘッドや髪を手入れする時は、背中のボルトは使わずこのスタイルです。 M16 アイボルトで首から吊り下げると、足先は下の板には着かず宙ぶらりんの状態です。
額などを吊り下げるために部屋の壁に出ているボルトとドールの背中の吊り下げボルトに接続したアイボルトをシートで繋いで立たせると、こんな片足ポーズも簡単にできます。
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