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注)ここに書いてあることが原因でトラブルが発生しても、当方は責任は負いかねます。実践はご自身のご判断でお願いいたします。
ナベさん
のカスタム工房の手順通りに作業するとうまくいきます。
以下の記述は、ほとんどナベさんの解説通りに忠実に作業した記録で、重複する内容ですが、僕の作業した実際の流れを紹介します。
右の図は「エルミナの目に簡単に艶をつける方法 」で木工用ボンドで目の表面に透明な膜をつけたエルミナです。
まず、この透明な膜を除去します。
ボンド加工して半年以上経過していましたが、奇麗に除去する事ができました。
右の図は、除去したボンドです。塗料やソフビ本体へのダメージは無かったようです。
目の輪郭にそって、カッターで穴をあけます。
ごく普通のカッターで作業したのですが、目尻の部分はカーブが急なため、歯の小さいカッターを使った方が作業しやすかったようです。
ウレタン部分も少し(数ミリ)切るぐらいに深く歯を入れると、それが目のあった部分のマーキングになります。
切除した目です。
首の部分を丸く切り取ります。
ここを丸く切ると、顔の皮を剥ぐのが簡単になります。
ソフビ後頭部をカッターで縦に切断します。
中のウレタンを切断しないように少しずつ慎重に切断します。
僕はカッターの歯を少し深く入れ過ぎて、ウレタンまで切ってしまいました。ご注意ください。
切断した後頭部からソフビの皮を剥ぎます。
目を切り取るときにウレタンに付けたカッターの切り跡を、マジックインキなどで強調します。
これはウレタンをバランス良く掘るための目印となります。
今回の作業のために購入したリュータです。
東急ハンズ渋谷店で 9,980 円でした。
使用可能な先端ビットの軸径は「 2.34 mm, 2.35 mm, 3/32 inch, 3.0 mm, 1/8 inch 」とあります。
回転数のコントロールと、正転/逆転の切り替えができます。
AC100V (50/60Hz) から DC を作って、最大 DC12V 1A でモータを回転させています。
回転数は 2,500 〜 15,000 rpm とあります。
安いものでしたので、トルクが足らない感じです。ドールアイの尻尾を切っているときに、砥石が引っかかって回転が停止する事が何度もありました。少しずつ削れば十分使えるのですが、今後も様々な工作に使う事を考えると、もう少し値段の高いトルクのある物を選んだ方が良かったのかもしれません。
上記のリュータを購入した直後に、ナベさんの BBS 『まゆか通信』で、ナベさんから直接、リュータに関する知識を教わりました。
2002 年 8 月 6 日のぱぁぱさんの投稿がスレッドの先頭です。
ナベさんの許可を頂いて当該スレッドを抜き出して保存したページはこちら『まゆか通信【抄録】』です。
ナベさんがお使いになっている切断砥石の写真を後にいただきましので、『まゆか通信【抄録】』の中に絵を埋め込みました。
これだけ大きな径の砥石円盤をまわすには、
そうとう強いトルクが必要でしょうね。廉価な電気モータ式では、まず無理です。
ナベさんがお使いの「業務用」電気式リュータの写真も頂きました(右図)。僕はエア式をお使いだと勘違いしていました。電気式でもさすがにプロ用は違いますね。
リュータの付属ビットには円盤状のものが無かったため、同じく東急ハンズで購入した10 本組のビットです。値段は失念しました。
リュータで作業するときは飛び散る切り粉から目を保護するために、防護眼鏡をかけた方が良いです。僕はこのような眼鏡を使いました。
東急ハンズ新宿店で購入した 26mm ドールアイの尻尾を、円盤状の砥石で切断します。
ドールアイは東急ハンズの他に、京都造形ネットストアからも購入しました。また、ユザワヤでも取り扱っているようです。
切断する尻尾の位置は、カーブが反転する部分です。
一気に切ろうとすると、トルクの低いリュータでは砥石が引っかかって回転が停止してしまいます。
砥石の回転で発生する摩擦熱で融かしながら、徐々に削って切断するような感覚で作業します。
切り粉に薄いピンクの色が混じる事から、砥石自身も削れて磨耗している事がわかります。
ほとんどこの作業は必要ないですが、もし、ドールアイの瞳に細かな傷があり曇っていても、プラスチック用コンパウンドで磨くとピカピカのツヤツヤになります。
アビスから航空郵便で(ドール本体とは別の便で)送られてきたリアルドールのドールアイは、輸送中にケースの蓋と擦れて傷が入っていました(リアルドール個人輸入の事例ページ)。
東急ハンズや京都造形ネットストアで購入したものには、傷は全くありませんでした。
リュータのビットを先の細いものに取り替えて、眼孔を丸く掘ります。
ウレタンのような密度の低い柔らかいものを削るのには、「砥石」は向いていません。ビットは木工用などの方が良かったのでしょうが、購入し忘れていたため、小さな細い砥石で作業しました。「リュータで突き刺してほぐす」→「指で摘んでちぎる」の繰り返しで穴を大きくしていきました。
掘る量は定量的に示すことはできません。「ドールアイを入れて様子を見る」→「掘る」のカットアンドトライの繰り返しです。
ドールアイを楽に動かすための「眼球の受け皿」を作ります。
材料には「ラクトバチルス・カゼイ・シロタ株乳酸菌」が150億個も入っていた容器を2個使います。
この容器の口の部分を、まず小さなハサミ等を使って大雑把に切断し、作業しやすいように小さくします。
次に、切り取った口をさらに小さく、今度は丁寧にカッターで切断します。切断部は手を切らないようにサンドペーパーで軽く滑らかにしておきます。
寸法は右図のよう感じです。ドールアイと受け皿は「円」で接するため、大きさは正確である必要はありません。大まかには、ドールアイをのせた時にドールアイの継ぎ目が受け皿の縁にくるような位置です。
「眼球の受け皿」を眼孔にセットします。
(輝度を落として少し見やすくしました→)
「眼球の受け皿」がセットされた眼孔に、ドールアイをセットします。
この受け皿を使っても、目は "軽々と動かせる" ほどになるわけではありません。
依然として摩擦があります。顔の皮を被せた状態では、皮が眼球を押さえますので、目を動かすには多少力が必要です。ですが、受け皿がありますので、奥のウレタンへのダメージは少ないと思われます。
- 受け皿なし+眼球後部にメンディングテープを貼付けた眼球
- 受け皿あり+眼球はそのまま
を比べた結果、「受け皿ありの方がちょっと動かしやすかった」という程度です。
この図では目が飛び出し過ぎのようですが、「ソフビの皮が眼球を押さえる力」と「ウレタンが眼底から眼球を押す力」がつり合って、あけた目の穴の輪郭が眼球の表面に沿うようになります。
ソフビのオリジナルの目周辺メイクを、シンナーをしみ込ませたを綿棒等を使って落とします。
眉のメイクはオリジナルのまま残しました(間違って一部消してしまいました)。
メイクを落とした状態の写真を撮るのを忘れました。
ソフビの裏側の、眼球と接触する部分を、リュータで削ります。
これにより、まぶたと眼球が自然に接触するようになります。この作業もカットアンドトライですすめます。
右はメイク後に撮った写真です。
また、顔表面の「まつげの形」も削ります。「まつげの形」を奇麗に削り落とすのは結構難しくて、僕はうまくできていません。
右はメイクに使用した塗料です。東急ハンズ渋谷店で購入しました。
左上から「つや消しブラック」、「ブラウン」、「レッド」、「ライトブラウン」、「クリアー」、「つや消しホワイト」です。
右はメイクに使用した陶器のパレットと筆です。
塗料の瓶からパレットに塗料を注ぐには、ストローを適当に切ったものを、片方の端を指で塞いでピペットのようにして使用しました。
メイク直後(まつげを付ける前)の写真を撮るのを忘れました。
塗料を使ったメイクが終わったら、皮を元に戻します。
ウレタンが膨らんで、後頭部は右図のように元のようには閉まっていません。
付けまつげは渋谷西武 LOFT で購入しました。
上下まぶた用がセットになったものです。このタイプには、少しデザインが違うものがいくつか用意されています。
右の写真は実際に付けたものとは別のものです。
上記の付けまつげは全体的に長く、また下まぶた用の付けまつげの毛そのものは少し長過ぎますので、適当に短く切ります。
右のような小さなハサミが便利です(近所の雑貨店で購入)。
付けまつげは、上下とも付属のノリで固定しました。ですが、このノリは接着力が弱く、ちょっとした事で剥がれます。もっとまともな接着剤を使った方が良いのかもしれません。
ソフビの皮を剥ぐ(皮を裏返しにする)と、確実にまつげは緩みます。
以上で作業は終了です。
ウィッグを付けて撮影した、大きめの写真はこちらです。
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